一宇建立の寺伝は、天保年間の文書によると、明応八年(1499)、蓮如上人の昵近であられた空善法師による草庵が建立のはじまりともされ、慶長元年(1596)には善楽寺第九代宗則によって堂宇が建立したと伝えられています。
慶長一〇(1605)年に寺号を善楽寺と称し、本願寺より木仏本尊並びに宗祖親鸞聖人の絵像を下付されています。本格的な本堂としては、宝暦三年(1753)に、観堂律師により七間四面の道場が建立されたようです。
善楽寺の本堂は、創建以来一度も災害に遭うことなく、京極高谷氏、後の田中氏の歴史を受け継ぎ、堂々たる寺観を呈する寺院として、二五〇年以上もの間、聞信の道場として春照の地で、浄土真宗のみ教えを伝えてきました。
しかし、平成二六年(2014)5月末日、原因不明の出火により、本堂をはじめ、書院、大玄関、太鼓楼、庫裏が一晩のうちに焼失しました。現在の本堂は、それから三年半後に再建されたものです。